「面倒な雑務」を引き受けることのメリット
7社1877名を対象にした調査によると、会社から期待されている人たちの89%は、自分の担当ではない雑務を率先して引き受けた経験があるとわかりました。これは一般社員における比率の約2倍です。
たとえば、プリンターのトナー交換。急いでいるときほど遭遇しがちなトラブルでもあり、多くの人にとっては面倒な雑務でしかありません。そんなとき、多くの人は「誰かがやってくれるだろう」と放置して、他人任せにしがちです。
ですが、自分の時間を優先するその選択が、じつは周囲に自分勝手な人という印象を与えていることもあります。数分の作業にすぎませんが、それを人任せにする姿勢が、意外にも大きな評価ダウンにつながっているのです。
期待されている人たちが雑務を積極的に引き受けるのは、そこに様々なメリットがあるからです。
プリンターのトナー交換なら、替えのトナーをもらいに行くことで、総務部や庶務担当との関係性が深まります。
会社のインフラや業務の土台を陰で支えている彼らに、「現場でサポートしている人」「自分たちの苦労をわかってくれる人」として信頼されることで、何か相談事やトラブルがあったときに協力してもらえる関係性を築いているのです。
たかがトナー、されどトナー
そして、日常的にプリンターに触れることで裏技設定にも詳しくなります。両面印刷の効率的な設定、紙詰まりの解消方法など、細かな知識が増えることで、同僚が困っているときに即座に助けられます。
困っている人を助けるこれらの習慣が周囲からの信頼を集め、結果的に「あの人は頼れる」という評価に直結していました。心理学で言う返報性の原理が働き、助けられた人は「次は自分が返そう」と自然に思うのです。
ある商社の若手社員は、トナー交換を率先しておこなっていたことがきっかけで上層部の目に留まったと言います。
経営企画部長が印刷に手間取っていた際、即座に対応してみせたことで「臨機応変に動ける人だ」と認識されたのです。
本人は「ただの雑務だと思っていたことが関係構築につながるとは思わなかった」と語っていました。
プリンターのトナー交換は単なる雑務ではなく、小さな奉仕を通じて信頼を積み上げる行為です。会社から期待されている人たちは、その行動によって人脈やチャンスを引き寄せていたのです。
検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます


