「見るべきものは5年後でなく今の変化」
POSデータはあくまでも仮説を検証するためにある。明日の売れ筋商品と前の週の売れ筋商品とは異なる。検証のために使った過去データをそのまま、発注のためのデータに使ってはならない。仮説は、明日の天気予報や地域の行事などの情報(先行情報と呼びました)をもとに自分で考えなければならない。単品管理を徹底させるため、「前の週のデータを消す」という大胆な判断を行ったのでした。
加盟店側からはまたもや大ブーイングが巻き起こりましたが、鈴木さんは「反対を恐れてはならない」と方針を変えることはしませんでした。そこには単品管理こそセブン‐イレブンの競争力の源泉という確固たる信念が表れていました。
「変化への対応と基本の徹底」。鈴木さんはこの原則を唱え続けました。その「変化」とは何を指すのか。「鈴木さんは5年後、10年後のことをよく考えられていて、先見の明がありますね」と外部の方から言われるたびに、「5年先、10年先のことなどわかりません。そんな賭けみたいなことはするべきではありません」「見るべきものは今の変化です」と答えるのが常でした。
(インタビュー・構成=勝見明)

