カメラではわからない運転の挙動とは

「お客さまに、この話をすると、『え、そうなの。知らなかった』。

普通の保険ですと、データがなければお前が悪い、いや、お前だと喧嘩になってしまうんですよ。

交差点内の事故でも、テレマティクス保険に入っていて、運転挙動がわかれば争いになりにくい。信号が赤だった、青だったという争いも、走っている速度と時間がわかれば信号が青だったかどうかわかるんです。つまり、テレマティクス保険っていうのは事故の際の証拠であり証人なんです。弁護士、交通鑑定人が出てくるようなケースでも、データがあれば争い、裁判にはなりません。

自転車屋さんの事故の場合もデータを見せたら『悪いのはうちだったね』とお振り込みをいただき、お客さまの車をすぐに修理させていただきました。

車と自転車の事故で、100%自転車が悪いとなることはこれまではなかった。運転挙動のデータがいかに大事か、私自身、よくわかりました」

現実の交通事故は多種多様だ。一般に交通事故と言えば車同士、あるいは車と歩行者だ。しかし、今では電動キックボードなども登場し、モビリティの種類は増えている。車と電動キックボードの事故だって少なくない。ドライブレコーダーの装着率が高まっているとはいえ、ドライブレコーダーのカメラではとらえられない死角がある。カメラがとらえた映像と車の運転挙動データの両方が必要になってくる。

「思いやりの気持ち」を持って運転する

大木は言った。交通事故を防ぐには「リラックスしながら安全運転をする」ことだという。「テレマティクス保険がいいのは運転挙動を上から目線で指導されるのではないことです。毎回、点数が出るから、ゲーム感覚で安全運転ができます。誰でも安全運転を心がけているんです。スピードを出すのはよくないし、急ハンドルもダメだとわかっています。でも、毎日、その気持ちを維持するのは難しいんですよ。テレマティクス保険だと点数が出るので、いい点数を取りたいというのがやりがいになる。僕はゲーム感覚がいいと思うんです。『あ、50点だ、やばいよ、これ』とか『今回は90点だ、安全運転したんだな』とかって、目で見てわかる。そのうえ、安全運転すれば保険料が割引になる。

それに、これ、家族で乗ったら、それぞれの点数が出るんです。『お父さん、50点じゃダメ。私はいつも90点なのに』とかお母さんが言ったりするんじゃないかなと思います」