「英会話力」の指標となる“もう一つのTOEIC”

そこで僕が英会話力の指標としておすすめするのは、TOEICのなかでも「スピーキング」の試験です。

「スピーキングテスト」と聞くと、多くの人は「英語でスピーチ(演説)をするような試験ではないか?」と身構えてしまうかもしれません。しかし、それは大きな誤解で、実際のTOEIC Speaking Testは、ほぼ英会話の試験と言ってよい設計になっています。

全11問の問題構成を見てみると、そのことがよく分かります。

・音読問題:2問
・写真描写問題:2問
・応答問題:3問
・提示された情報に基づく応答問題:3問
・意見を述べる問題:1問

11問中6問(過半数)が「その場でのリアクション(応答力)」を問う問題なのです。あらかじめ用意した原稿を暗記して一方的に話すような問題は一つもありません。

「相手が何を求めているか」を判断し、その場で英語を返す力――まさに「英会話」そのものです。

コールセンターで働くビジネスマン
写真=iStock.com/b-bee
※写真はイメージです

発音・文法より「意思疎通」がポイント

そして、採点基準には、「内容の妥当性(質問に合っているか)」と「内容の完成度(必要な情報を伝えられているか)」が明確に含まれています。

どんなに流暢で文法が完璧であっても、質問と関係のない独りよがりな話をしていれば評価されません。逆に、シンプルな英語であっても、相手の意図を汲み取って言いたいことを分かりやすく伝えられれば、高く評価されます。

公式サイトにも、こう明記されています。(※2)

発音が流暢でなく、多少文法的にミスがあったとしても、意思疎通に問題がなければ採点スケール(4~6段階)に大きく影響することはありません。自分の言いたいことが相手にきっちり伝われば、加点評価される実践的なテストです。

まさに、実践的な「英会話力」を数値化するために、非常にうまく設計された試験だと言えるのです。

(※2)https://www.iibc-global.org/iibc/activity/iibc_newsletter/nl146_feature_02.html