「勉強ができない子」と「できる子」の決定的な違い
以前、ある学習塾の先生による、「勉強ができない子」と「勉強ができる子」の違いについてのとても興味深い話を見聞きしました。
どちらの子も、勉強に対する意欲は十分にあるという前提です。しかし、たとえば数学のテストで平均点しか取れなかったとき、両者の「目標設定」に差が生まれます。
・勉強ができない子:「数学の成績がもう一つだったから、次はこれまで以上に勉強時間を増やして頑張る!」(精神論・曖昧な目標)
・勉強ができる子:「数学が平均点だったので、次の10月の公開模試で偏差値60を取れるように、毎日食後の夜8時から9時までの1時間、問題集を5問ずつ解く」(具体的・定量的な目標)
要するに、両者の違いはやる気でも地頭の良さでもなく、単に目標設定が「極めて具体的であるかどうか」に尽きる、ということでした。(※1)
僕はこの話を読んでハッとしました。子供の勉強に限らず、大人の英会話学習にも完全に当てはまると思ったからです。
「TOEIC(L&R)」「英検」では不十分
では、既存の英語試験で、「英会話力」を客観的に数値化でき、目標設定に使えるものはあるでしょうか。
日本で代表的な試験といえば「英検」と「TOEIC(L&R)」の2つです。しかし結論から言うと、これらは「英会話」の指標としては不十分です。
まず英検は、一次試験で「読み書き」、二次試験で「面接(話す)」がありますが、基本的には英語の「総合的な基礎力」を測るためのものです。英会話に特化した試験とは言えません。
そして、多くの企業で最も重視されている「TOEIC(L&R)」。これはその名の通り、Listening(聴く)とReading(読む)の試験であり、「話す(Speaking)」プロセスが一切含まれていません。こちらも英会話力の指標とするには心許ないでしょう。
実際、僕自身もかつてTOEIC(L&R)で900点以上(935点)を取得しましたが、その時点ではまったくと言っていいほど英会話ができませんでした。
(※1)実は、このエピソードはアメリカの心理学者ロックが提唱した著名な「目標設定理論(Goal-Setting Theory)」とその後の研究によって支持されています(Locke, E. A., & Latham, G. P. (1990). A theory of goal setting & task performance. Prentice-Hall, Inc.)。端的に言えば、曖昧な目標より、明確な目標のほうがモチベーションと成果の両方が最大化されるということです。この理論は、もともとは従業員のモチベーションを高めるための「組織心理学」から始まりましたが、現在では塾での学習指導を含む「教育心理学」の分野やスポーツ心理学など様々な分野で活用されています。

