「立ち止まれば、置いてきぼりを食う。動きながら考えよ」。親分野を拓き続け、1兆円企業をつくった経営者の言葉は鋭い。だが闇雲に動いてもダメだ。3つのカギが、確かな支点となる。
――世界の政治・経済がすごいスピードで変化し、中国など新興国の台頭はめざましく、史上例のないグローバルな競争が激化しています。もはや欧米追随型のビジネスモデルは後れをとり、刻々と変わる条件下で、日本企業は新たなビジネスチャンスを見いだし、市場を切り拓いていかねば生き残れません。宮内さんはかねてから「変化の時代はチャンスだ」と言い切って、オリックスグループを売上高1兆円企業に押し上げました。
オリックス会長 
宮内義彦氏

【宮内】言うまでもなく、世界は刻一刻と動いています。一方、経営者にあるのは過去の経験です。もう1つ持っている可能性があるとすれば、先見性です。過去の経験は「そうだった」という事実ですが、先見性はまだ「そうなるだろう」という思いだけです。しかしながら、世の中は過去へ絶対に戻りませんから、「過去はこうだったから、それに照らし、こうしたらいい」というのでは、全くダメなのです。過去に照らしつつ、全く違う状況への先見性を発揮することができないと、経営者として何も創造できません。

先見性から創造へとつなげるには「時代の変化とともに動きながら考える」ということが不可欠です。経営者は、立ち止まったら、置いてきぼりを食います。