3800円のカフェモカ
温暖化によって桜の開花が早まっており、皇居の桜はこの週末に満開になりそうだ。3月でも日中に30度を超える日は珍しくなくなったが、早朝のこの時間は東御苑の歩道を走るランナーたちの足取りもこころなしか軽い。
出社前に近くのスターバックスに寄り、3800円のカフェモカを飲むのが私のささやかな贅沢だ。
2010年代には、「ニューヨークではラーメン一杯が5000円以上する」と、驚きとともにニュースになった。その頃日本ではラーメンは庶民の味で、1000円を超えることなど考えられなかった。だがいまでは、5000円のラーメンなら安いと思うようになった。
日本はすっかり貧乏な国になってしまった…
日本人が体験したのは、ハイパーインフレや財政破綻のような「大事件」をともなうものではなかった。毎年、すこしずつ物価が上がっていき、じわじわと真綿で首を絞められるように生活が苦しくなっていった。
物価の上昇に賃上げが追いつかず、実質賃金は10年以上にわたって下がりつづけ、日本はすっかり貧乏な国になってしまった。
1990年代は1人あたりGDPで、先進国でもっともゆたかな国だったそうだが、いまではG7で最下位まで落ち、アジアでも韓国や台湾はもちろん、タイにまで抜かれそうになっている。
いつの間にか都市部は外国人の金持ちばかりになり、観光地は「安いニッポン」を満喫する海外からの観光客で溢れた。いまや地方経済は、インバウンド消費でかろうじて成り立っている。貧乏な日本人にとっては海外旅行など夢のまた夢で、日帰り温泉がささやかな贅沢だ。

