「から揚げ日本一のチェーン」規模までに成長

出来立て、アツアツのから揚げを提供できるようになると、店舗の空気が変わった。

「ご一緒にから揚げはいかがですか?」

現場が自信をもって勧められるようになった。

吉野家「第2の柱」の誕生だった。

ロードサイドの「黒吉野家」
提供=吉野家
ロードサイドの「黒吉野家」

数字は正直だ。自信をもってお勧めし始めると、月を追うごとに、構成比が伸びていった。

そのため、当初はC&C(Cooking & Comfort)型の店舗だけの限定メニューの予定だったが、あまりの好調さに、フライヤー設置可能な店舗には導入していくことになった。

チェーンのおよそ7割でから揚げ販売が始まると、テレビCMも作成。

ついに、から揚げの販売数は15%にまで達した。

河村泰貴『どうしたらバイトから社長になれたんですか?』(プレジデント社)
河村泰貴『どうしたらバイトから社長になれたんですか?』(プレジデント社)

2025年には、から揚げ販売店舗数は1058店(およそ82%)、年間の販売数は5263万個に達した。

正確なデータが取れないので、明確なことは言えないが、外食チェーンとしてはおそらく日本一に近い規模であることは間違いないと思う。

最近では、ご家庭で揚げ物をしなくなったと言われるようになって久しい。

今後、ますますから揚げは家で揚げるのではなく、「買って帰って食べるもの」として定着していくだろう。専門店はふえるだろうが、中食としてのから揚げが定着すれば、僕たちにとっても追い風となるはずだ。よいもの、美味しいものをご提供し、最後に、吉野家が残存者利益を得ることができるはずだ。