「眠った状態」こそがデフォルトモードだ

しかし、それならば、睡眠こそが本来の生物の基本形と考える視座をもつべきではないのか? 生物は「時おり眠る」というより、むしろ、「時おり、外界の刺激にしたがって反応している」というべきではないか?

それならば、「眠り」が原始的な動物にも存在することを驚くべきではない。眠りこそ生物本来の在り方であり、進化に伴って覚醒を獲得し、その結果として清明な意識をもつことができるようになったのだ。

ヒトにおいても、睡眠は空腹や喉の渇きと同様に、抗いがたい生理的衝動として現れる。眠気は意志では抑えきれず、脳と身体の深部から行動を支配する。