お世話になった人たちにお礼を伝えたい
前者についていえば、コロナ禍の際に多くの人の声として耳にしたものである。自分の人生を俯瞰した時に、お礼を伝えたい人は少なくないだろう。
実際に私のセミナーでも、70代になってお礼の行脚を始めた人がいる。相手は、会社員当時の同期や学生時代の友人ではなく、会社員から独立する際にお世話になった銀行の行員や起業家の先輩たちだという。
後者についていえば、自身の過去の人生を振り返り、それを他者に語り、または書き残すことでこれからの人生に向かうことに意味があると考えている。
還暦後も、人生には「節目」が必要だ
文化人類学的に見れば、人の一生は「誕生」「命名」「入学」「成人」「就職」「結婚」「出産」「育児」「還暦」「死」などいくつかの節目からなっているという。これらの節目は、個人が属する集団内での身分の変化と新しい役割の獲得を意味している。
その儀式には「死と再生」のモチーフがあるという。これだけ寿命が長くなった時代には、還暦後にも節目が必要だ。
現実的には、70代半ばくらいまでは多くの人が健康を維持して自立した生活を送れることから、70代半ば以降あたりに節目を自分で作成してもいいだろう。
そういえば、水の江瀧子さんの生前葬は77歳だったのである。
