「あると便利」から「ないと不便」への転換

導入以来、政府はマイナンバーカードの普及促進に必死だ。当初はマイナンバーカードがあればコンビニの端末で住民票の発行が受けられますといった「利便性」を強調していたが、国民の反応は鈍かった。

焦った政府は「アメ」を国民にばら撒くことで、マイナンバーカードを普及させることを考えた。カードを作れば「マイナポイント」を差し上げますというのだ。第1弾、第2弾で合わせて最大2万円分のポイントがもらえるようにした結果、2019年4月に普及率がわずか13%だったものが、2023年12月には普及率は73%に達した。

民間のクレジットカード会社などがポイントを付与するのは、作成後にカードを利用することによって、会社に収益をもたらすからだ。いわば宣伝広告費としてポイントを付与しているわけだ。では、政府が国民に利益供与してまでカードを普及させるのは何のためなのか。この間、投じられた国費はおよそ2兆円にのぼるのだ。