その事業計画書で闘えますか
会社が借金を予定通りに返済できなくなると金融機関との交渉が必要になりますが、これには2つのパターンがあります。1つは、借り入れ返済スケジュールの変更、いわゆるリスケ(リスケジュール)です。もう1つは、まったくお金がなくて返済ができないケースです。今回は、リスケ時の金融機関との交渉の場合について説明します。
重要なことは説得力のある事業計画を準備することです。その前提として過去の決算を見直してください。
多くの中小企業、特に業績の厳しい企業は粉飾決算を当然のようにしています。税務署や税理士から指摘されないから大丈夫ではないか? と考える経営者も多いのですが、実際は違います。税務署は税金をしっかりとることが目的ですから、実際は赤字の企業が黒字決算を出してきたときに、強く修正を求めてきません。税理士は決められたルールに基づいて適正な納税を実現することが本来の業務ですが、赤字企業が黒字を出したかのように粉飾決算をして税金を余計に払うことに税務署が寛容なため、税務署からの指摘を一番嫌う税理士も厳しく指導修正をしないことが多いのです。
事業計画の策定にあたっては、一度過去を振り返り、実態にあった決算を組み直す必要があります。そしてその決算をベースに、今後の事業計画を立て、資金繰り計画を作ることが前提です。少なくとも事業計画上は「しばらく待ってもらえればきちんとお金を返すことができる」ということをそれなりの根拠を持って金融機関に説明できなければいけません。
それなりの根拠とは、例えば事業計画で売上を増やす前提として、得意先や新商品などについて、具体的な計画を持っているということです。しかし、リスケを検討する段階では、売上アップは難しいことが通常なので、主に費用削減、要するにリストラを徹底的にやる必要があります。そうやって浮かせたコストから借入を返済していくという計画を作り、金融機関に納得してもらうことが基本です。