金融機関が送り込むコンサルタント

リスケを行う際には、説得力のある事業計画を立て、「しばらくは利息しか返せないけれど、将来はきちんと元本も返します。よって、しばらく元本の返済を待ってください」という依頼を金融機関にすることになります。したがって、金融機関がYESと言いやすい事業計画をつくることに長けたコンサルタントや会計事務所に依頼をすればよいわけです。

金融機関がリスケに向けての事業計画策定のためにコンサルタントを紹介してくるようなときは、それを受け入れることも検討してください。金融機関は、「ただ払えないから」という理由だけでは簡単にリスケを受け入れることはできません。リスケを受け入れると融資の債権者区分が変更になる可能性(簡単に言うと金融機関の損失が増える可能性)があるからです。金融機関としては、仮にリスケを受け入れても、できれば損失は増やしたくありません。その要望に応えることに慣れているコンサルタントは金融機関にとってもありがたい存在なのです。こういったコンサルタントが属している機関として、経済産業省が認可する企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)や中小企業庁が関与する中小企業再生支援協議会などがあります。

サービサーの立場

融資先企業との交渉が長引き、融資した金額の全額をとても回収できないとなった段階では、金融機関はサービサーと呼ばれる債権管理回収業者に、その貸出金を売却することがあります。このとき、金融機関は実際には1億円融資をしたにもかかわらず、回収が難しいため、これを1億円より安い金額で売却するのが通常です。仮に、ここでは融資総額の3割、3,000万円でサービサーへ債権を売却したとします。これにより、金融機関は7,000万円損をするわけですが、サービサーへ譲渡した後には、この7,000万円は税務上の損金となり、金融機関は税金の支払額が減り、一定のメリットを享受できます。一方でサービサーは3,000万円以上回収すれば利益がでる計算になります。

皆さんの会社の金融機関からの借入金がサービサーに譲渡された後は、返済先が金融機関からサービサーに変更になります。サービサーが最低いくら回収すればよいと考えているのか、7回目(http://president.jp/articles/-/10742)で説明した「信頼できるコンサルタント」とともにそれを探りつつ、返済金額やスケジュールを交渉する必要があります。金融機関から借りていた金額より返済金額が小さくなったというだけで安易にサービサーとの返済条件変更の契約を結ぶべきではありません。

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(企画協力=アルテ総合法律事務所(村井淳也・弁護士/渡邉 論・弁護士))