「クマの恩」を仇で返した男の末路

似たようなケースは他にも記録されている。

大正2年(1913年)、雪解けの近い4月頃に、浜益から増毛のニシン漁場に向かった佐藤という者が、空腹と疲労のため行き倒れてしまった。何時間か過ぎた頃に目を覚ますと、暗がりの中で怪しい手が自分の唇を撫でている。ハッと見ればそれは一頭の大グマであった。クマは行き倒れた佐藤をクマ穴に連れて帰り介抱していたのであった。

佐藤は心からクマに感謝して夜明けを待って穴を出た。この時、クマも一緒に穴を出てノソリノソリと山道を案内してくれたという。