「新たな自分」との出会いがいい笑顔をつくる
「いい顔」のイメージが湧かないという人もいるかもしれない。皆さんがご存じの人でいえば、さかなクンや私の地元の大先輩である映画評論家の淀川長治さんだ。
本書『定年後、その後』で紹介する人たちも、皆さん「いい顔」をしている。
その理由は、「自分の好きなことをやっている」「他人に役立っているという実感を持っている」「嫌なことはしていない」「ものごとのよい面を見ることができる」あたりではないか。
若い時には、まず自己を確立することが必要だが、現役引退後にはもうひとひねりが求められる。
人生の後半戦で立ち位置を変えると「新たな自分」に出会えて、老いを乗り切る一助になる。それが「いい顔」につながっているというのが、私の実感である。
いい顔をした「ご隠居」になりたい
「『定年後、その後』を充実させるためにはどうすればいいですか?」という質問を受けた時には「とにかく自分が『いい顔』になれることに取り組みましょう」と答えるようにしている。
また、「定年後、その後」になると、それまで以上に「人間関係寿命」が重きを置くようになってくる。この問題について諸々の角度から述べていく。
家族も友人ももちろん大切なのだが、一番は自分自身と良い関係を築くことだろう。
本書の最後に書いたように、隠居生活に入って、「いい顔」になることが私自身の最終目標である。

