宇宙条約の抜け穴

一方で、こうした月面の商業的な利用や資源採掘に関するルールがないという、とても大きな問題があります。

月面の領有が禁止されているので、国家による月面の支配やそれにつながる活動はできないことになっていますが、企業による経済活動については、宇宙条約では具体的な言及はありません。つまり、民間企業が月に行って採掘する分には宇宙条約を根拠に禁ずることができないのです。

地球上では、通常、企業は国家のルールに守られています。もし契約不履行があれば裁判所に訴えることもできるし、自分たちが所有する資産が盗まれれば、警察に届け出て、犯人を捕まえることもできます。しかし、月面は国家による領有が認められていません。