毎夜2時間の心がけで睡眠の質は高められる

私たちのライフスタイルを激変させたもう一つの出来事が、スマホの発明です。スマホは登場するや否や、瞬く間に全世界に広まりました。確かに小型で使いやすく、これほど多機能で便利な道具はありません。子どもから大人はもちろん、高齢者まで気軽に利用できる優れた道具が出現したというわけです。

しかし、スマホに依存するように使い続け、昼夜逆転の落とし穴に陥ってしまった人々も決して少なくありません。それが現代人の不眠の理由の一つにもなっています。

それは、前にも述べたように、パソコンやスマホの画面からのブルーライトが、夕方以後に合成されるメラトニンを抑制させるからです。本章の初めにバイオリズムを形成させる神経経路として視床下部の「主時計」について解説をしましたが、その視床下部から松果体へブルーライトが影響を与えて、メラトニン合成を抑制させてしまうのです。

最近はブルーライト対策用のメガネ型フィルターも市販されていますから、その弊害について、ご存じの方も多いと思います。

夕方から就寝まで、ブルーライトを長時間浴びるのは、確実に睡眠の質を落としてしまうのです。

そこで私は提案します。

「夜寝る前の2時間だけはデジタル機器を使わずに、アナログ生活をすること」

たったこれだけでよいのです。

有田秀穂『スマホ中毒からの心のモヤモヤをなくす小さな習慣』(プレジデント社)
有田秀穂『スマホ中毒からの心のモヤモヤをなくす小さな習慣』(プレジデント社)

でも、それ以外の時間帯、朝から夕食までは使い放題で構わない! ブルーライトはセロトニンには影響しません。ですから、朝から夕方まではパソコンやスマホなどデジタル機器を駆使して、存分にデジタル生活を味わえばよいと思います。

実に簡単、たった2時間だけでよいので、そこから離れれば、夜の快眠が得られるはずです。これなら無理なくできるのではないでしょうか。

その代わり、夜は、おしゃべりや団欒、読書などを楽しむ。

マッサージなどの心身のケア、ゆっくりと風呂に入る。

1日を振り返って明日の準備を整える……人間はこのように、さまざまな夜の過ごし方を工夫してきました。

これを取り入れて、デジタル依存症にならない「ハイブリッド生活」を意識して心がけるようにしましょう。要するに、デジタルとアナログのハイブリッド生活。それが現代の日本人には不可欠な生活様式だということを忘れないように。