「45年後の自分のイメージ」を見てもらう実験

現在の自分と未来の自分との溝が心理学的に深く埋め込まれているのだとしたら、この溝を埋めるために何かできることはあるだろうか。

スタンフォード大学の元大学院生で、心理学の研究を私と共同で行い、現在はニューヨーク大学で准教授としてマーケティングを教えているハル・ハーシュフィールドは、何か方法があるのではないかと考えている。ハーシュフィールドは最近、スタンフォード大学でコミュニケーション学の教授を務めるジェレミー・ベイレンソンと共同で、仮想現実(バーチャルリアリティ)を活用して未来の自分自身への理解を改善する研究を始めた。

まず、若いボランティア被験者の同意を得て、3Dアニメーションで各被験者のアバター(コンピューター上に再現した自分の分身)を制作した。次に、被験者にVRヘルメットを被ってもらい、コンピューターによって生成された「鏡」をのぞき込んでもらった。のぞき込んだ鏡の中に映るアバターは分身のように、被験者の動きを完璧にまねる。