――そういう道を選ぶ人の数は増えているんじゃないでしょうか。ちきりんさんもその1人ですよね。

【ちきりん】やりたいことが見つかって幸せだと思います。そういえば最近は、ニンテンドー3DSのゲームに熱中してるんですが、教育熱心な家って子供にゲームをさせないんですよね。

――そうなんですか。私も子どもがいないからそういう事情には疎いのですが。
ちきりんさんが携帯しているNintendo3DS(LL)の限定モデル。ゲームには「世の中の問題解決へのヒントが満載」とのこと。

【ちきりん】私、ゲームと漫画、それにお笑いは、これからの社会問題を解決する強力なソフトインフラになると思ってるんです。でも親が、そういうものが教育に良くないと思いこんで遮断してしまうと、子供のチャンスをつぶしてしまう。どの子にとっても、自分が好きなことが見つかるのは幸せへの近道なのに、親がいいと思う範囲のものしか見せないってどうなのかと。

――ゲーム、面白いですか?

【ちきりん】面白いですよ。さっきも熱中してて電車を乗り過ごしました。しかも世の中の問題解決へのヒントが満載ですよね。たとえば、このゲーム機を高齢者に1個ずつ配って、毎朝タッチしてもらったら簡単に健康確認ができるなーとか。あらゆることが仕事になりうる時代なのに、わざわざ競争馬に遮眼帯をつけるように、子供の視野を狭めることはないと思います。

――子供が少し大きくなると「やりたいことをやりなさい」とか言いだしますよね。

【ちきりん】大人が学生にたいして「ほんとうにやりたいことは何なの?」と聞くのはおかしいですよね。そんなのわかるわけない。

――40歳もなって答えられないとまずいですけれどね。

【ちきりん】20年も世の中で働いていれば、自分のことも社会のこともよくわかるようになるし、自分がどんな生活をしたいかも具体的に描けるようになります。一方、若い人はあんまり考えずに、とりあえず目の前にあるものをやってみればいいんですよ。