監督は怒鳴り、罰も与える指導を見直す

考えあぐねているとき、本職である教師の経験からヒントをもらった。教育現場で少しずつ広がり始めた「主体的学び(アクティブラーニング)」である。大まかに言えば「目の前の課題について自ら考え、解決法を探る力をつける教育」を指す言葉だ。そのためには、教師が一方的に何かを教えたり抑圧したりせず、子どもが主体的に動いたことを認めて、ほめることが重要だと森本は理解した。

この教育観はバブル崩壊後の1990年代から関心を寄せられるようになった。当時、教員として中堅に差し掛かっていた森本は、こう振り返る。