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なぜ日本の郊外には「タダ同然の住宅地」が大量にあるのか…「限界分譲地」という大問題を告発する
郊外とも呼べない農村部に、大量に開発された投機商品のミニ分譲地が今も残されている。
【図版1】1972年7月13日付読売新聞に掲載されていた、現在の千葉県富里市に残る投機型分譲地の広告(左)。
広告の分譲地周辺の模様。都市化と地価の上昇を見込んで分譲されたが、周囲は未だ広大な畑作地帯のままである。
分譲地の大部分が今なお更地のままだ。建物が撤去されたのではなく、分譲当初から今日に至るまで、一度も建築が行われていない。
1979年9月5日に撮影された、分譲地付近の航空写真(国土地理院地図・空中写真閲覧サービスより加工の上引用)。赤枠内が当該分譲地。分譲から7年後の撮影であるが、大半が更地で、住宅建築はほとんど進まなかった模様が確認できる。
地元の草刈り業者の立て看板。千葉県北東部の限界分譲地でしばしば見られるもので、遠方在住の土地所有者に代わって区画の草刈り業務を受託している。
インターネット上に掲載されている、文中の分譲地近隣の売地情報。価格は坪1万円前後まで下げられているが、いずれも成約に至らず長期間にわたって広告が掲載され続けているものである(公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会「ハトマークサイト」より)。
すでに撤去されていたが、以前掲出されていた売地看板。44坪で20万円と記載されている(2018年4月撮影)。
分譲地内に放置されている空き家。
半焼後、そのまま放置されている家屋。地価が安く解体費用の回収が見込めない限界分譲地では、被災家屋の撤去も進まない。
地域の衰退は続いているが、遠い山間部の「限界集落」と異なり、一方で未だ住宅市場での物件供給も続いていることが、問題をより複雑にしている。
新築された倉庫(左側)。
以前は車両置場だった(2018年撮影)。
地域の衰退と虫食い上の再利用が同時進行で進む限界分譲地は、無策な都市計画の象徴とも言える光景だ。
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