割引もポイント還元もないのに、iPhoneを直営店の「アップルストア」で買う人がたくさんいる。その目的は直営店限定の補償やおまけというわけでもなさそうだ。デザインスクール出身で、Takramディレクター・ビジネスデザイナーの佐々木康裕さんは「iPhoneには合理的な判断を失わせるだけの魅力がある。それを読み解く鍵が『デザイン』だ」という――。

※本稿は、佐々木康裕『感性思考 デザインスクールで学ぶMBAより論理思考より大切なスキル』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

東京に新しいアップルストアがオープン
写真=iStock.com/GOTO_TOKYO
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デザインスクールから生まれる感情に響くビジネス

変化が激しい今の時代、従来のMBAで学ぶ論理思考や戦略思考だけでは対処できない問題が頻出しています。そこで私はMBAへの留学ではなく、デザインスクールへの留学を選びました。

デザインスクールでは、クリエイティビティに依存せず、誰でも使用可能なメソッドやフレームワークをベースにしながら、誰でも100個でも200個でもアイデアを生み出せる方法を教わりました。

もちろん、それら全てのアイデアが製品・サービス化に結び付くわけではありませんが「アイデアの広がりが足らない」「もっと多様な観点でアイデアが欲しい」といった際に、こうしたアイデア多産の方法論を、スキルの引き出しの一つとして持っていることは非常に有効です。