悪化すると「鼻茸」というポリープも

内視鏡の3次元(3D)表示や4Kなど高精細表示技術の発展に伴い、内視鏡手術の適用範囲は飛躍的に広がりました。耳鼻咽喉科でいえば、特に顕著なのが「慢性副鼻腔炎」の手術です。

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慢性副鼻腔炎はかつて「蓄膿症」と呼ばれ、アレルギー性鼻炎や花粉症と並ぶ、患者数の多い鼻の病気のひとつ。現在は「慢性化膿性副鼻腔炎」「好酸球性副鼻腔炎」の2つに大別されます。いずれも、鼻の穴(鼻腔)の周囲にある空洞に細菌やウイルスが入り込み、炎症が長引く状態を指します。

主な症状としては「鼻がつまる」「においがわかりにくい」などがあります。

風邪やアレルギー性鼻炎などと間違えられやすく、じわじわ悪くなることが多いせいか、気づかないまま、放置されるケースも少なくありません。症状がひどくなると、鼻・副鼻腔の粘膜が腫れ、垂れ下がり、「鼻茸はなたけ」と呼ばれるポリープが生じることもあります。

治療法には抗菌薬やステロイド薬などで炎症を抑える「薬物療法」、鼻腔や副鼻腔を洗浄したうえで薬を吸入する「局所療法」などがあるほか、粘膜の腫れが鼻腔に広がり、鼻茸がある場合には、手術を検討することになります。