調理に必要な材料とレシピをセットにした、「ミールキット」の利用者が増えている。業界大手のオイシックスは定期購入会員が12万人を超えた。1人前で約600円の「自炊」を利用するのは、どんな人たちなのか——。

子育て中の共働き会社員世帯が主な購入層

業界大手のオイシックス・ラ・大地がミールキット「Kit Oisix(キットオイシックス)」の販売を始めたのは、2013年。2017年ごろから利用者が増え始め、2019年3月には定期購入会員が12万人を超えた。オイシックスでは青果や加工食品も販売しており、全体の会員は約22万人。2017年のデータによれば、キットオイシックスの購入者は30~40代が7割以上、さらに子供のいる人が7割で、子育て中の共働き世帯が購買の中心層だという。

「ミールキット」とは、調理に必要な材料をセットにした商品だ。キットオイシックスには、カット済みの野菜や味付けされた肉、調味料など、人数分の材料とレシピが同梱されている。ニンジンやカボチャなど固くて切るのに時間と手間がかかるものはすでに切ってあり、肉類は味付け済みだ。食材とともに届いたレシピを見ながら調理し、家にある皿に盛り付けるだけで、一食分のメニューができる。献立を考え、食材を購入し、調理する手間を省くことができ、食材を余らせることもない。

画像提供=オイシックス・ラ・大地
一食分の食材とレシピが一袋にまとめられている

同社では、①主菜と副菜の2品が20分で完成、②全てのメニューに5種類以上の野菜を使用、③オイシックスの取り扱い基準を満たした契約農家・契約メーカーの食材のみを使用という条件の下、キットを開発。毎週、和・洋・中20メニュー以上を取りそろえて献立のマンネリ化を防いでいる。