慶應出身の経営者は、わが子も慶應に入れようとする。ユニクロを運営するファーストリテイリングやローソンの社長を歴任し、現在はIT企業の社長を務める玉塚元一氏は、自身が慶應幼稚舎出身であり、さらに3人の子供も幼稚舎から慶應に通う。なぜそこまで母校で学ばせたいのか――。

「私は16年間慶應で学び、3人の子供も幼稚舎に通っています」

私は幼稚舎から大学まで16年間、一貫教育を受けました。私の3人の子供たちも、みな幼稚舎から慶應義塾に通っています。

デジタルハーツホールディングス社長の玉塚元一氏(『プレジデントFamily2019夏号』より)

福澤諭吉先生は明治維新という日本の夜明け前、咸臨丸に紛れ込むようにして乗り込んで、いち早く近代化した世界を見聞した。能力に応じて人が生き生きと仕事をしている様子を目の当たりにして、ビジョンを持って物事を学び、努力すれば誰でも平等にあらゆる道が開けると強く信じた。

こうした、福澤先生の教えというのは本質的に正しいと思っています。いまだに新鮮だし、今の混沌とした世の中でも通じる原理原則をうたっていると。慶應ではいろいろな場面で教えてもらいました。

慶應の教育は大学よりも高校、高校よりも中学、中学よりも幼稚舎と、生徒の年齢が低くなるほど、福澤先生の教えに対して忠実で「濃い」です。幼稚舎では、修学旅行などで福澤先生ゆかりの地を訪ねたり、毎年2月3日の命日には全員そろってお墓参りをしたりします。この「濃さ」は僕が小学生の頃も、今も多分変わらないでしょう。

「まず獣身を成して、後に人心を養う」と福澤先生は体づくりの大切さも説いています。だから早い段階からきつい山登りをしたり、海を1000m泳いだり、早朝にはだしでランニングしたりします。強い体をつくることに重点が置かれている。運動会もガチですから(笑)。

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『プレジデントFamily』2019夏号の特集は「わが子を慶應に入れる」。本稿「なぜ経営者は慶應に子供を入れたがるのか」の詳細リポートのほか、「『代々慶應』塾生親子のお宅訪問」「慶應、小中高大学別非常識な合格テクニック」「最強同窓会 三田会の超お得な2つのメリット」などの記事を紹介。「早慶MARCH関関同立『最強付属校』完全MAP」なども掲載している。ぜひ手に取ってご覧ください。