大きな転換点となったのは「英アーム」の買収

ソフトバンクの2018年4~6月期は営業利益7150億円となり過去最高を更新した。大きく伸びたのが前年比2.3倍の2399億円の利益を上げたファンド事業。2218億円の利益を上げた国内通信事業を上回った。

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現在のような出資者を募る形で投資事業がスタートしたのは17年にソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を設立してからだが、投資に関する大きな転換点となったのは、16年の英半導体設計企業アームの買収だ。

3兆円を超えるソフトバンクにとって過去最大の買収であり、通信分野以外への投資であることや、日米以外のグローバル全体を見据えたものであることなど、それまでの投資とは内容が違うものだった。

ソフトバンクが現在重点的に投資しているのは、特定の技術やサービスではなく、今後既存の産業を変革する可能性がある分野である。具体的には交通システム、金融、不動産、医療などだ。出資している米ウーバーや中国の滴滴出行など、一般的にはタクシー配車会社と呼称されることが多い企業でも「トランスポーテーション」と呼び、交通システムそのものだという認識を示している。