そもそも法とは、何のためにあるのか。私たちを縛るものなのか、守るものなのか。法哲学研究の第一人者に聞く。法の趣旨を捻じ曲げる「詭弁」を許してはいけない。
公園の入り口に「乗り物(Vehicle)は進入禁止」という標識。何のための法規かの目的を考えるべきである(※写真はイメージです)
「社員」という言葉も法律と常識では大違い
「法の常識と世間の常識がずれている」という問題は欧米にもあり、その淵源は近代国家形成の歴史に求められます。
中世ヨーロッパには主権国家はなく、貴族・教会・自治都市などの封建的社会勢力がそれぞれの身分的諸特権を固守する慣習法が支配し、君主といえどもそれを変えようとすると放伐されました。これでは市場経済促進など近代的社会改革を断行できません。
そこで絶対王政を経てフランス革命に代表される市民革命が起こると、封建勢力を統制する強い権力をもった主権国家が成立し、その立法によって社会改革を断行するようになります。その結果、国家が新たに制定・執行する法規範と、慣習的な社会規範(=世間の常識)が衝突する事態が起こったのです。
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