性に関する男女のダブルスタンダード

戦前から終戦直後までは、未婚者の男女交際は一般的ではありませんでした。

まず、「出会う機会」がほとんどありませんでした。小学校低学年は共学でも、それ以降は基本、男女別学スタイル。当時は、農業などの自営業社会なので、学校を卒業した多くの庶民は、原則として家業を手伝います。つまり、男女ともに親と一緒に働いている。そのような中で、「年頃の男女が出会い、つきあう」という機会はほとんどなかったと思われます。多くの若者は、親の取り決めなどで、「恋愛」期間をもたずに結婚していきました。

いくつか留意しておく点もあります。中産階級の一部のインテリ層には、西洋の自由恋愛へのあこがれがありました。それを描いたさまざまな小説が生まれ、彼らの心をつかみます(小谷野敦『恋愛の昭和史』など参照)。ただし、多くの庶民にとっては「自由恋愛は別世界の出来事」であり、中産階級のほとんどの若者も、実際には親の決めた相手と結婚していきました。