大谷が「何よりも幸せ」と感じる瞬間とは?

寝るときに、
『今日の練習は良かったな、やりきった1日だったな』と思って目を瞑(つぶ)れるかどうか。
そこが心の平穏を保てている一番の要因だと思いますし、今の僕にとってはそれが何よりも幸せなことなんです

(「Number」1069 P15)〉

サッカーのプレミアリーグ歴代最多得点記録保持者で、フランスワールドカップではイングランド代表チームのキャプテンを務めたアラン・シアラーのモットーは、毎晩、家に帰って鏡に向かい、「(所属する)ニューカッスルのために110%出しきった」と言えるだけのプレーを心がけることでしたが、大谷翔平も第5回WBCの直前、記者から「ささやかな幸せを感じる瞬間は」と聞かれこう答えます。

「今は日々に満足していますね。今日もしっかり練習できたし、これから帰ってごはんも食べられるし。夜になったら寝心地のいいベッドがあってそこで寝られるし、明日が来ればまた練習できるし。そういう、何の不安もなく暮らせる感じというものに満足しているんですよね」

大谷が大事にしているのは、「寝るときに、『今日の練習は良かったな、やりきった1日だったな』と思って目を瞑れるかどうか」です。やりたいことをやり切るためには、健康であることが大前提ですし、健康だからこそ100%の体調で練習をすることができます。但し、こうした日常は記者の言う「ささやかな幸せ」ではなく、「何よりも幸せ」だというのが大谷の思いです。

高校時代の大谷翔平が抱えていた“最大の課題”

食事について学んだことは大きかったですね、
厳しいところもありますけど、
大切なことが沢山つまっています

(「SHO-TIME」P53)〉

大谷翔平の食事に対するこだわりの強さはよく知られていますが、高校時代の大谷の最大の課題の1つは、筋肉量を上げることと、体重を増やすことでした。花巻東高校に入学した頃から身長は高かったものの、体重は63キロしかなく、ウエイトトレーニングでも20キロくらいのシャフトでフラフラしていたといいます。