現役タレントに被害者はいなかったのか調査せよ
そして、最後に申し上げます。現役タレントにも被害者がいなかったか、プロの調査チームを結成して徹底的に調べていただきたいと思います。被害者でありながらスターの地位を失いたくないばかりに泣き寝入りしている人物がいたら、それこそ気の毒です。
私はその彼に言いたいのです。勇気をもって発言することこそが、名もなき被害者への勇気づけであり、また女性をはじめ、弱い立場に寄り添い、勇気をもって世の中の不正と戦うことこそ、人生を取り戻す機会になることを教えることになる、と。
口だけの反省……私たち日本人は戦後、「一億総懺悔」という情けない行動をとりました。昨日まで戦争万歳だった先生が、教科書に墨を塗って民主主義を叫び、徴兵がくれば大喜びで、近所の若者を兵隊に送り出していた国防婦人会が、突然、軍部の暴走により空襲でひどい目に遭いましたと告白するようになりました。
そして、そんな反省はいつのまにか忘れられ、敗戦によって得た男女平等も、三権分立も、報道の自由も、時がたつにつれてどんどん後退しているというのが私の持論です。
経済界はCM自粛という手段をとり始めましたが、刑事事件にすることを考えなかった司法機関、児童保護機関の見識も問いたいと思います。なにしろ、あの記者会見の真っ最中に、辞めたとはいえジャニーズのシンボルともいえる近藤真彦に一日署長を平気でさせていた警察です。ジャニーズのこういう警察抱き込み行為に騙されていたことを告白する幹部は出てこないのでしょうか。
たかが週刊誌が発掘した事件、たかが男性の性被害……そんな古い感情でメディアは、最高裁で認められた性加害を報じることを見送り、警察も捜査さえしようと思いませんでした。令和の時代は、この数十年の日本の閉塞感を吹っ切って、明日を切り開く時代になってほしい。
そのためには、まず、この事件を克服しましょう。女性ファンたちも、現役が告白することを応援し、それを望む声明を出してこそ、時代を切り開く行動になると自覚してほしいと考えます。
そして、「反省」を口にしたメディアの幹部やMCのみなさん。その言葉を私はずっと覚えています。そのことを忘れないでください。