今さらブルーオーシャンを狙ってはいけない

なぜ「ブルーオーシャン」参入は危険なのか?

あらためて言うまでもなく、スモールビジネスの魅力は、「自分がやりたいテーマでビジネスができる」ところです。しかし、スモールビジネスを立ち上げるに当たっては、もう1つ、大きな落とし穴があります。

それが市場選びです。これから起業しようと考えている、もしくは、起業してまもなく、集客に困っている皆さんのなかには、「自分はこれまで誰もやっていないサービスを高く売る自信がある」「世界でオンリーワンのお店にしてみせる」と思っている人がいるかもしれません。

それが実現すれば、本当にすばらしいことです。ブルーオーシャン(=競合のいない領域)に参入し、多くの人に求められれば、1人勝ちできる可能性もあります。

しかし、「こんな画期的なアイデアは、どこを探してもない!」と思い込んでぎ出すのは少々危険です。特に小さい会社ほど、ブルーオーシャンをねらってはいけないのです。

その理由は、競合がいない領域とは、裏を返せば、これまで需要がなく、もうかった人がいない領域だからです。仮にそのサービスを支持する人がいても、市場規模を拡大するためには、莫大ばくだいな資金と時間がかかります。

ブルーオーシャンを狙うということは、それだけリスクが伴うのです。

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自分がやりたいことで、最小限のコストで集客する方法

それよりも、レッドオーシャン(=競合がひしめく領域)に目を向け、お客さまに目を止めてもらうことが大切です。競合がひしめく領域とは、先ほどの競合がいない領域の反対で、需要があり、市場規模が大きく、儲かる領域のことです。

まずは、お客さまが望むことに応え、そのなかで「自分がやりたいこと」を付け加えるのです。実はそれがお金も時間もかからず、最も少ない労力で人を集めることができる方法です。

たとえば、私が独立を考え始めたときは、30〜40代の働く女性の間で加圧トレーニングの人気が高まっていました。専用のベルトを脚や腕の付け根に巻き付けて圧力を加え、血液量を制限しながらトレーニングを行なうことで、一般的な筋トレと比べてより短い時間、軽い重量で筋肉に刺激を与え、脂肪が燃焼しやすい(太りにくい)体になる。

つまり、短期間でダイエット効果が期待できるというものでした。当時「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉はありませんでしたが、まさに忙しい現代に合ったトレーニングだと確信しました。

そこであらたに加圧トレーナーの資格を取り、勤めていたスポーツクラブ内で加圧トレーニングのクラスを持たせてもらいながら、別の加圧トレーニングスタジオに修業に行き、スタジオ運営や予約システムの勉強もさせてもらいました。

あえてレッドオーシャンを「しっかり狙っていこう」と行動したのです。スタジオの名前も「日野原大輔スタジオ」では誰もわからないので「加圧スタジオLib(Life is beautiful)」とし、認知されやすいネーミングにこだわりました。