地表は時速1600キロメートル超で動いている

さて、時速35マイルならそれほど悪くないと思える。だが、あなたにはあいにくだが、地球も自転しており(*)、地表は時速35マイルよりもずっと速く動いている。赤道では、時速1000マイル(時速約1600キロメートル)を超えている(**)

*「あいにく」だと申し上げているのは、この特殊な状況においてのことだ。一般的には、地球が自転しているという事実は、あなたにとって、また、地球全体の居住可能性にとっても非常に良いことである。
** 海水面から測って、エベレスト山が地球で最も高い山だということは広く知られている。

それに比べてあまり知られていないトリビアが、地球の中心から最も遠い地表の点はエクアドルのチンボラソ山の頂上だという事実だ。これは、地球が赤道の部分で外に膨れているからである。

それよりもさらに知られていないのが、地球の自転で最も速く動いている地表の点はどこかという問題で、それは、地軸から最も遠い点はどこかというのと同じである。その答えは、チンボラソ山でもエベレスト山でもない。最速地点は、チンボラソ山の北にある、カヤンベ山という火山の頂上である(***)。これであなたも1つ物知りになりましたね。

*** カヤンベ山はさらにその南斜面が、赤道が通る地表の最も高い地点でもある。山にまつわるトリビアを、私は結構たくさん知っている。

月の対地速度はおおよそ正弦波の形で変化している

棒の端は、地球全体に対してゆっくり動いていたとしても、地表に対しては猛スピードで動いている。

棒が地表に対してどれだけの速さで運動しているかという質問は、実質的に、月の対地速度がいくらかと尋ねているのと同じだ。これを計算するのは厄介だ。というのも、月の対地速度は時間が経過するにつれて複雑に変化するからである。私たちにとってはありがたいことに、それほどは変化しない――普通は秒速390から450メートル、またはマッハ1強である――ので、正確な値を突きとめる必要はない。

ともかく、それを突きとめることで、少し時間をかせごう。