「マスク姿ながら『ああ!』とお顔を綻ばせてくださったのがわかりました。愛犬やわたくしの飼っている猫の話で盛り上がりまして、皇后陛下も大きな御目にとても柔らかい微笑みを浮かべていらっしゃいました。お話を終えて次の方へと移られる際もスッと振り向いて『お座りになってください』と声をかけてくださいましたし、歌会でも作者のお辞儀に必ず応えておいでで……皇后陛下の深いお心遣いに感動いたしました」(同前)

新年儀式の2つで選ばれた「皇太子妃時代のドレス」

雅子さまが詠まれた歌は「皇室に君と歩みし半生を見守りくれし親しき友ら」。

昨年12月、59歳のお誕生日に発表されたご感想「人生のちょうど半分を皇室で過ごしてきた」とリンクする。

歴史文化学研究者の青木淳子氏は「装いもまた、お誕生日のご近影と同じく“白”が基調となっています」と指摘する。

「今回お召しになられたのは、唐草模様がレースのように表されたオフホワイトのローブ・モンタントです。2015年にトンガ王国を訪問された際、トゥポウ6世の戴冠式でお披露目されました」(同前)

当時の雅子さまにとっては、2年ぶりの海外公式訪問。トンガで温かい歓待を受けたことは、療養生活のなかで「大きな励み」になったという(2015年の誕生日のご感想より)。

「今回詠まれた歌の“友ら”には、雅子さまがこれまで出会い、交流してこられた方々や国民への想いも含まれているのかもしれません。

また、新年に執り行われた4つの儀(新年祝賀、新年一般参賀講書始、歌会始)のうち、少なくとも2つは皇太子妃時代のドレスをお召しになられたことに、雅子さまの謙虚なお気持ち、慎ましやかな姿勢を感じました。これも、コロナ禍における国民の状況を慮ってのことでしょうか」(同前)

天皇皇后両陛下は、これからも国民と“共”に歩まれていく。

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