50代は資産の棚卸を。1500万円を捻出できるか計算

老後のお金の不安は大きく2つ。医療費と介護費用です。健康なら小遣い稼ぎや節約もできますが、病気で動けなくなった場合の医療費と介護状態になったときのお金は心配です。

このうち医療費は、健康保険の高額療養費制度により、70歳以上75歳未満の一般的な所得者なら、大きな病気で手術をしても、健康保険対象の治療なら入院が長引いても、月5万7600円以上の医療費はかかりません。

問題は、介護費です。「老後2000万円」問題にはすっかり介護費が抜け落ちていました。

生命保険に関する全国実態調査」(2021年)によると、全国平均で介護に費やした期間は5年1カ月、初期費用(リフォームや介護用ベッドの購入)が74万円、月の介護費用は8万3000円(介護保険の自己負担分含む)かかっています。

実際に介護にかかる費用は1人約600万円。介護保険だけではまかなえず、持ち出しは覚悟しなくてはなりません。

夫婦のどちらかが介護状態になったとき、子どもには金銭的迷惑をかけたくないもの。必然的に老々介護状態になり、やがて1人が亡くなって、残された1人が介護状態になったら施設に入るのが一般的です。

私は介護費と医療費を合わせて、夫婦で1200万円、それにお葬式代やリフォーム費用として300をプラスして、1500万円をとっておくことを提案しています。

「なんだ、2000万円と1500万円では、500万円しか違わないではないか」といわないでください。介護状態にならなければこのお金は不要ですが、万が一の不安を払拭するためのお金として、これくらいの金額は備えておきたいものです。

50代になったら資産の棚卸しをし、現在持っている資産と退職金などから1500万円を捻出できるかどうか計算してみましょう。

すでに1500万円ある人は、そのまま使わずに持っておきましょう。1500万円に満たない人は、足りない分を埋める計画を立てましょう。

老後は年金の範囲で暮らす

老後は人によって生活レベルが異なるとは思いますが、働く期間をできる限り長くすることで、生活費はそれほど心配する必要はありません。

老後は年金の範囲で暮らせるよう今から節約を心がけ、生活をコンパクトにすることが大事。夫婦で年金が20万円もあれば暮らせるため、それほど多くの老後資金は必要ありません。無意味な老後不安に陥るのはやめて、明るい老後を描いたほうが人生は楽しくなります。

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