「日本人の3人に1人が日本語が読めない」「パソコンを使って仕事ができない人が9割」……それでも国際調査では「日本は先進国で一番頭がいい」結果だという。報道やSNSで次々に現れる「バカ」と、調査結果のズレは何か。人気作家・橘玲氏が「バカと無知」の真実を解説する。11月25日(金)発売の「プレジデント」(2022年12/16号)の特集「頭がいい思考、バカの思考」より、記事の一部をお届けします――。
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終戦直後からIQは上昇している

「日本人はどんどんバカになっている」と感じる人が増えているようですが、これが正しいかどうかは、そもそも「バカ」とはなにか、ということから考えなくてはなりません。

元首相を銃撃するのが愚行であることは間違いありませんが、だからといって容疑者の男が「バカ」だとは言えません。そればかりか、SNSの投稿を読んでも、複数の資格を取得していたことからも、高い知能と能力をもっていたようです。

それにもかかわらず、社会からも性愛からも排除されたことで、テロリズムが自分の存在を正当化する唯一の手段になってしまったのではないか。だとしたら、「バカなこと」をしたのはアイデンティティの問題です。

11月25日(金)発売「プレジデント」(2022年12/16号)の特集「頭がいい思考、バカの思考」では、本稿のほか、「頭がいい人は、なぜ頭がいいのか」をテーマに取り上げています。「東大卒ベストセラー作家・特別対談◎養老孟司×藤原正彦」、「話が通じない人は、なぜ通じないのか」、「東大卒医師・和田秀樹が警鐘!頭の調子が悪くなる“スマホ‟のカラクリ」に加えて、「最新脳科学が解明した記憶力・集中力アップ法」、「AIにできない思考法」、「賢い人だけがやっている知的習慣」など、一生使える最新情報を満載しています。