おんどくをマスターしたら黙読にチャレンジ

助詞を強調するおんどくは、少し難しく感じるかもしれませんが、大人がお手本を見せると、お子さんもスムーズにできるようになります。最初はぜひ親御さんがサポートしてあげてください。

「読みにくい」「読むのが疲れる」と感じるお子さんもいるかもしれませんが、脳が刺激を受けている証しです。続けることで、声も大きく、言葉のひとつひとつが明瞭になり、内容の理解が進むおんどくが身につきます。

単語の区切りがはっきり読める、語尾まではっきり読めるおんどくができるようになったら、黙読にステップアップ。黙読は「声に出さずに自分の声を脳内で聞く」ことなので、実は子供にとって、とてもハードルが高いものですが、それができるようになればぐんと読解力が身につきます。

短い一文を暗唱させて自分の声を聞くことを意識させる

スラスラおんどくできているけれど、どうやら内容が頭に入っていないようだ……そのようなお子さんもいるかもしれませんね。

これは、声を出すことに意識が向きすぎていて、自分の声を聞いて記憶する脳の働きが弱いことが原因です。おんどくしながら自分の声を聞くことを意識するよう、お子さんに促しましょう。

とはいっても、「自分の声を自分で聞く」というのは、子供にはイメージしづらいかもしれません。そのようなときは、暗唱を目標にしてみてください。暗唱することで、脳の聴覚と記憶の働きを活性化させるのです。

北川チハル著、加藤俊徳監修『1話5分 おんどく名作』(世界文化社)

文章は、ごく短い一文で良いので、好きなものを選んでください。大人と子供のどちらが早く暗唱できるか、ゲーム感覚で競争してみるのもよいですね。

脳を活性化するおんどくのカギとなる「聞く力」を日常生活でも育てるには、寝る前の読み聞かせや、大人が読む一文をお子さんが聞いてそれをノートに書き写す「一文聞き書き」も有効です。「一文聞き書き」がしっかりできるようになると、授業で先生の話を集中して聞けるようにもなります。

脳は、達成感を味わったり、楽しいことをやっているときが最も成長します。お子さんが「スラスラ読めた!」「覚えられた!」という達成感を得られると、苦手だった読書が「できる・楽しい!」に変わっていきます。

読むのが苦手なお子さんは、日常生活の中で短時間でも、脳を活性化するおんどくの習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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