お金がないのに車を手放さなかった人の“驚くべき言い訳”

ある相談者は、お子さんが私学に合格したものの、学費の負担が厳しいとのことで相談にいらっしゃいました。合格するまでの塾代などでお金がなくなってしまったそうです。

そこで私が提示した改善策の1つが、車を手放すこと。車を保有していると、自動車保険料、車検代、駐車場代など、それなりの維持費がかかります。また、売却すればある程度のお金も手に入ります。都会に住むその家庭にとって、車を処分することが手っ取り早く効果が得られる家計改善策の1つだったのです。

その相談者は半年後にもう一度やってきました。しかし、家計の苦しさはまったく改善されていませんでした。聞いてみると車は手放さなかったようです。その理由を尋ねると「ガレージにあった車が突然なくなると、近所の人に家計が苦しいと思われる」というのです。

写真=iStock.com/Thanyakan Thanapanprasert
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これもネガティブな言葉の1つです。車以外に大きく改善できるものはなかったのにもかかわらず、「他人の目が気になり」実行できなかったのです。家計見直しは、早く実行するほど効果が大きくなります。追い詰められてから実行しても効果は薄くなってしまいます。

お金が貯まる人は「周りからどうみられるか」にあまり関心がありません。自分たちにとって何が大切なのかを理解し「よそとうちは違う」とはっきりいえるのです。他人の目を気にして、他人と比較ばかりしていると、さまざまな鎖につながれて身動きができなくなってしまいます。

貧乏神は「過去にこだわる人」が大好き

同じように「過去にこだわる人」も貧乏神は大好きです。たとえば、大幅に値下がりした株を持ち続けている方からは、こんな言葉をよく聞きます。

「持っていれば元に戻るかもしれない」

買ったときの価格にとらわれていて、損を認めたくないとの心理が働いているのでしょう。冷静に考えてみれば、買ったときの価格にはもはや何の意味もないことがわかるはずです。現在どうなのか、今後どうなるのか、が大切なのです。過去にとらわれることで損失が膨らんでいきます。

お金の貯まる人は、過去に引きずられることなく、スパッと切ることができます。