そういうと、未婚者の統計だけで、恋愛強者3割と断じるのは乱暴ではないかというご指摘もあります。なぜなら、今や恋愛結婚が9割を占めるご時世、既婚者は全員恋愛経験者であり、恋愛弱者ではないではないか、というわけです。そもそも、日本の有配偶率は約6割なんだから3割しか恋愛強者がいないのはおかしい、と。確かにそれも一理あります。

しかし、よく考えてほしいのは、既婚者だからといって、全員が恋愛強者と言えるのか、という点です。恋愛を経験したことがある者が恋愛強者ではありません。受け身でも恋愛経験者にはなれます。

夫婦でも恋愛強者は全体の3分の1にすぎない

結論からいえば、既婚者で同様の調査をしても、実は未婚者と変わらず大体3割程度なのです。20代既婚者こそ恋愛強者率は男女とも4割を超えますが、30代以上は男女とも3割前後に落ち着きます。20代だけ突出するのは、そもそも20代での婚姻数が少ないことと、20代で結婚に至る若者に恋愛強者が集中するからです。言い換えれば、恋愛強者以外の人たちが結婚しているからこそ有配偶率6割が達成できているとみるべきです。

さて、前置きが長くなりましたが、実際の夫婦のそれぞれの恋愛強者率から見ていきましょう。

夫:恋愛強者31%、中間層35%、恋愛最弱者34%
妻:恋愛強者32%、中間層38%、恋愛最弱者30%

まさに「恋愛強者3割の法則」通り、男女ともほぼきれいに3分の1ずつに分かれました。夫婦で調査しても、恋愛強者は大体3割なのです。

興味深いのは、それぞれのマッチング状況でした。恋愛強者は強者同士でマッチングされると思いがちですが、そうではなかったのです。それぞれのマッチングを細かく見たのが以下のグラフです。

年齢だけでなく恋愛力も「同類婚」が多い

意外にも、恋愛強者同士の夫婦は全体の15%しかいません。恋愛強者3割のうち恋愛強者同士で夫婦となるのはその半分しかいないのです。恋愛強者夫は9%が中間者妻と、7%が最弱者妻と結婚します。同様に、恋愛強者妻も10%が中間者夫と、7%が最弱者夫と結婚します。夫婦ともに強者×最弱者のペアが7%いるわけです。恋愛力だけで結婚のマッチングが成立するわけではないことが分かります。