上がって下がってを繰り返す地下駅の連絡通路

地上駅はそれほど難敵ではない横浜駅だが、地下はなかなか厄介だ。

以前はJR線と平行する位置にあった東急横浜駅は、2004年に地下に移転し、新たに建設された横浜高速鉄道みなとみらい線(MM線)との直通運転が始まった。

東横線・MM線横浜駅は、地下3階に改札があり、そこからさらに下った地下5階にホームがある。渋谷といい、横浜といい、近年の東急の地下駅移転はとにかく階層が深い。改札からホームへはエスカレーターで直結しているものの、地表からホームへ向かうには計四本のエスカレーターを乗り継ぐ必要がある。乗換に時間がかかることを覚悟しておきたい。

もう一つの地下駅が地下鉄ブルーラインの横浜駅だ。みなみ通路の西端という飛地のような場所にあるのは、後発駅のため致し方ないところだが、やはり乗換は不便だ。難敵は、東横線・MM線横浜駅からの乗換ルートだ。

ホームが地下5階にある東横線・MM線と、地下3階の地下鉄線を乗り換えるためには、フロアを3回上がって地下1階へ行き、再び2.5回下がる。一気に上がって下がるのならまだいいのだが、すべてブツ切りだ。これだけ理不尽な上下移動は、他の迷宮駅でも類を見ない。横浜駅の迷宮性を象徴する場所といえるだろう。

横浜駅マップ(画像=『迷宮駅を探索する』)

地下街やバスターミナルも対照的な駅の東西

駅以外の地下空間も、なかなかの難物だ。東口には地下街「横浜ポルタ」が広がり、そごう横浜店が入居する横浜新都市ビルと、マルイシティ横浜のあるスカイビルに直結している。

地下街そのものの構造も複雑なのだが、厄介なのは横浜新都市ビルには横浜駅東口バスターミナル、スカイビルには横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)というバスターミナルが、それぞれ1階に配置されていることだ。

このバスターミナルの構造が、とにかく難解なのだ。路線バスのターミナルとYCATの乗り場が一体となって、整然と並んでいるように見えるのだが、構造は別々だ。

路線バスの乗車バースはA~Cの三つの島に分かれているが、そこへ向かう道筋が見つけづらいうえ、階段の位置と向きが微妙に異なる。YCATの乗車バースは、そもそも建物の構造が別なので、スカイビルを経由しないと入ることができない。

バス停に行きたくても行きにくい東口に対し、バス停に行きたくないのに行ってしまうのが西口だ。

地下街はかつて「ダイヤモンド地下街」という名称だったが、現在はジョイナスの一部という扱いになっている。中央通路から直結する地下通路が完成し、「馬の背」が解消されたことで、アクセスが容易になった。

問題はこのジョイナス地下街から、地上へと上がる階段だ。中央通路からまっすぐ進むと、左右にいくつか階段が見えてくる。外に出ようと、焦ってこの階段を上がると、その先が行き止まりなのだ。バス停の島になっていて、横断歩道で渡ることもできない。新宿駅の西口と同じような構造になっている。

ジョイナスの地下は、広い割にはシンプルな構造でわかりやすい。横浜髙島屋はもちろん、横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズやヨドバシカメラ マルチメディア横浜、横浜モアーズなど、近隣の主要施設にも直結している。