どうすれば「正しいキャベツ」を選択できるか

一方の単価については、イオンのネットスーパーを中心に、東京近郊の有機野菜専門店などの価格も参考にしてマトリックスを作ってみた(図表1)。

出所=『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか:妻と夫の溝を埋める54のヒント』
【図表1】キャベツのマトリックス

一口にキャベツと言っても、有機野菜か産直か、国内産かといった違いで価格に開きがある。同じスーパーでも、有機野菜は、通常の国内産とは別の棚にある。そして、有機野菜は、通常品より見てくれは劣るが、遥かに値が張る。

妻にとって「正しいキャベツ」を選択するには、妻の商品へのこだわりを認識していなければならない。例えば、日頃から有機野菜を使っているのであれば、選ぶべきは当然、高くて、恐らくは一般品より小ぶりの有機野菜ということになる。

一方で、普段有機以外の国内産を選んでいる妻の場合は、有機野菜を買っても喜ばれない可能性は非常に高い。一玉200円前後の国内産か産直品があったとすれば、そのどちらかならほぼ安全だ。

こと野菜に関しては、広めのストライクゾーンというものが存在せず、ドストライク一択なので、外したら、そこでゲームオーバーだ。有機野菜か通常品かを選び間違えるということは、妻の日頃の買い物へのこだわりに気がついていない(=私を理解していない)という解釈につながる。

ドストライクを外さないためには、野菜は、想定単価を確認しておくとよい。そして、実際の店頭で見つけたものが妻の想定単価と30円以上の乖離があったら、まずは、購入の意向を確認すると安全だ。

「わが家の定番を理解していない」が怒られる原因

高すぎる買い物は日頃の妻の節約の努力をわかってくれていない、という思いにつながる。

同時に、安すぎるものに対して品質に不安を感じる女性は多いので、極端に安いときも、「すごく安いよ」と連絡を入れてみる方が問題は起こらない。もちろん、一玉で買ってきてと言われたのに、安い! と飛びついたら半玉だった……なども、評価の対象外になる可能性は高い。

野菜の買い物は、簡単そうでいて、ドストライクが狭い分、失敗する可能性が高い。一人で買い物に行く前に、妻の買い物に同行し、日頃のこだわりなどを確認することをおすすめしたい。

(2)牛乳

牛乳などの乳製品、豆乳などは、商品ベクトルの振れ幅が大きい。普通の牛乳の他に低脂肪、特濃など、脂肪分の含有率によって味が異なる。商品ごとに使用方法も異なり、好みも異なるので、「わが家の定番」を意識、確認したい。

こちらも、イオンのネットスーパーの商品を例に、牛乳マトリックスを作ってみた(図表2)。

出所=『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか:妻と夫の溝を埋める54のヒント』
【図表2】牛乳のマトリックス
・うちも乳飲料か低脂肪乳か特濃のどれか買ってくる。わざとか? っていうくらいごく一般的な牛乳買ってこないw
・成分無調整だよ! 成分無調整! って頭に叩き込んだら間違えなくなったw
・牛乳ではなく特濃牛乳を買ってきた。本人は気を利かせて、少し高価な濃い牛乳を買ってきたつもりだったそうです。
・いっこいっこ全部指定せな分からんのか……めんどい。毎朝ヨーグルト、パン、牛乳、ウインナー食べてるよね? その辺の想像欠如に驚く。
・「家にあるのと同じもの」「いつも使ってるやつ」って言ってるのに! どんだけ普段食材とか調味料見ずに食べてるのかと思うと腹立ってくる。

もめ事の一つは「わが家の定番を理解せずに、無意識に食べている(あるいは使っている)」ことが、買い物でバレてしまうことにある。

これが普段、あれこれ考えて買ってきているのに、「どんだけ普段食材とか調味料見ずに食べてるのか」という怒りにつながるのだ。