運が悪い人の元には運が悪い人が集まる
運がいいという人と運が悪いという人には、日頃の「心がけ」にどんな違いがあるのだろうか?
困ったときにお参りをするかどうかでは、運がいいという人ほど、頻度が高くなる傾向にある。「必ず行く」と答えた人は、「とても運がいい」という人では6.48%だったものの、「とても運が悪い」という人では皆無だった。一方で、お参りに「困りごとに関係なく定期的に行く」と答えた人も、前者では14.81%いたのだが、後者では1.79%しかいなかった。
年間のお布施や寄進も、運がいいという人ほど金額が上がる。1000円以上のクラスではそれが顕著で、前者では21.30%いたのだが、後者では10.72%とほぼ半減。つまり、運がいい人ほど、信心深いというわけだ。
樺沢さんは、「運がいいと思っている人は、他者貢献の心理が働きやすく、それが、お布施や寄進の金額にも、反映されるのでしょう」と説明する。運がいいということを、「神仏やご先祖、周りの人たちのおかげ」と考え、自分の幸福を、社会にも還元しようとするというのだ。そして、島田さんも次のような見方を示す。
「お布施や寄進をするのは、成功者が自分への嫉妬を逸らしたり、名誉欲を満たしたりする狙いもありますが、仏教で『喜捨』というように、世俗の富を手放すことが幸福につながるという思想も、根底にはあるのです」
運気を高める心がけでは、運がいいという人も悪いという人も、「職場での人間関係」を重視している。ところが、「家族との人間関係」については、「とても運がいい」という人と「とても運が悪い」という人で、差が開いた。
「夫婦」または「子供や両親」との関係をよくしていくと答えた人は、「とても運がいい」人には合計74人いたが、「とても運が悪い」人では8人。運がいい人は身近な人を含めて満遍なく気遣いをしているともいえる。それから、「見るからに運の悪そうな人とは付き合わない」と答えた人が、前者では18人いたのに対して、後者では1人しかいなかったことに樺沢さんは関心を示す。
「心理学で『同属性の法則』と呼びますが、類は友を呼ぶということなんですね。心がけのいい人にはいい人が、悪い人には悪い人が、周りに集まってきます。たとえば、社員を低賃金でこき使うような悪徳経営者は、悪い部下に会社のお金を持ち逃げされたりしやすいわけです」と樺沢さんは説明する。