歯並びは全身のバランスにも影響を与える

歯並びが整っていることは、歯の白さ同様、見た目の印象に非常に重要です。

また、歯並びの悪さは“姿勢”という点でも、見た目に悪影響を及ぼします。

歯は、食べ物を咀嚼そしゃくするためだけのものではありません。全身のバランスをとるのに大きな役割を果たしています。歯がガタガタでみ合わせが悪い場合はもちろん、虫歯や歯周病などで歯が1本抜けているだけでも、体のバランスが崩れ、骨格が歪み、姿勢の悪さにつながるのです。

例えば、歯が欠けていると、そこの部分を避けて、噛みやすい場所でだけ食べ物を噛むようになり、上下の歯がズレた状態で噛み合うようになります(不正咬合)。この場合、ズレが生じるのは常に下の歯(下顎)です。

なぜかというと、上顎は頭蓋骨に固定されて動かないのに対し、下顎は顎関節に筋肉でぶら下がっているだけなので、下の歯が上の歯とうまく噛み合う位置に移動してしまうことが起こり得るのです。

「噛み合わせ」を軽視するのは危険

では、下顎のズレが骨格にどう影響するかを見ていきましょう。

図表1は、上の歯と下の歯が水平に見ても垂直に見てもバランスがとれている状態です。このとき、下顎は上顎の関節に筋肉を介してぶら下がっているだけで、背骨もまっすぐな状態になっています。

ところが、右に比べて左の噛み合わせが深くなってしまうと、図表2のように、頭の位置にも目の位置にも傾きが生じます。その結果、体が左右のバランスをとろうとして、背骨までが曲がってしまうのです。

これが、噛み合わせが悪いことによる体のバランスの崩れの一番大きな要因であり、その結果、骨格が歪んでしまい、姿勢の悪さにつながります。

背筋がまっすぐと伸びた人というのは、姿勢が悪くうつむき加減の人よりも、明るい印象を与えます。ビジネスパーソンにとって大切な“見た目”をよりよいものにするためにも、歯並び・噛み合わせは非常に重要なのです。