自分の立ち位置を理解するべき
——経営者を目指す人に重要なことは何だと思いますか。
【宮内】何より、自分の置かれた立ち位置を客観的にしっかりと理解しておくことです。それがないと、これから何をすべきかを考えることができないからです。
自分の立ち位置を知るためには、まず日本の社会というものをきちんと理解しなければなりません。具体的には、取り巻く環境と歴史観を理解する、ということです。
前者に関していえば、世界と日本という“横”の比較をすると、現在、日本の経済力(GDPベース)はアメリカ、中国の後塵を拝し、全世界の5%程度でしかありません。人口でいえばその割合はもっと低く、全世界の1.7%にしかすぎない。この数字を知っただけで、「このまま日本にいて、日本人だけを相手にしていて大丈夫だろうか」と思う人はたくさんいるはずでしょう。
一方、歴史軸に沿った“縦”の認識を深めるという点では、私の見るところ、今の日本社会は戦争に負けた1945年を契機に作られたものです。それまでの社会のアンチテーゼとして形成され、以後70数年が経過しましたが、大枠はほとんど変わっていません。「このままでは済まないはずだ。特に今後10年、大きな変化に見舞われるだろう」というのが私の見立てです。
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