震災での失業経験を持つ、28歳の女性店長
サザコーヒーの店舗13店のうち、9店が茨城県内で、4店が首都圏にある。7月13日には都内に新店がオープンした。東京駅前の商業施設「KITTE(キッテ)丸の内店」だ。
店長は坂本愛さん(28歳)。笑顔が似合う茨城人だが、実は2011年の東日本大震災で勤めていた旅館が被災し、職を失った過去を持つ。その後、サザコーヒー大洗店のアルバイトを始め、持ち前の負けん気とやる気で、バリスタや副店長の経験も積み、現職に就いた。
「自分が店長になって、入社当時の上司の苦労もわかりました。職を失い、勝ち気だった20歳の私と親身に向き合って、愛情を持って指導してくださり、JBCにも出場でき、多くのチャンスも得ました。培った経験を、今度は会社に返す番です。本当においしいサザコーヒーの魅力や、コーヒーの楽しさを、多くのお客さまに知っていただきたいと思います」
32歳の副店長は「接客日本一」
副店長を務める武石綾介さん(32歳)は、同社が誇る接客のスペシャリストだ。学生時代に剣道で鍛えた姿勢のよさに、人懐っこい笑顔を絶やさない。2017年8月に東京・日経ホールで行われた「第9回 接客ロールプレイングコンテスト 全国大会」では、予選会を勝ち抜いた代表45人が接客技術を競うなか、見事優勝に輝いた。
「接客・サービスの立場でいえば、会長も副社長もコーヒーへの情熱があり、豊富な知識を熱く教えてくれます。素材も一番よいものを使っているので、自信を持って接客できるのも強みです。各商品にストーリー性があり、お客さまと物語を共有できます」
各店舗の業績が好調なサザにとって、キッテ店は「情報発信地」でもある。「『当社はキッテにも店がある』と話すと、商談でも一目置かれるようになりました」(鈴木太郎さん)。
国内外のコーヒー事情に精通して、情熱的に語る太郎さんにはメディアも注目。「フォースウェーブコーヒー(コーヒー第4の波)の象徴」として大きく取り上げた雑誌もある。