頑固で強情な県民が歴史を動かす

最後に「意志の強さ」を見てみよう。行動力のベースとなるのが「意志の強さ」だ。優柔不断な人はすぐに決断ができず、なかなか動くことができないが、確固たる意志があれば即、行動に移せる。草食系など軟弱な若者が増えている昨今、日本有数の“骨太県”はどこだろうか。

「意志が強い」県民、第1位は熊本。頑固一徹をさす「肥後もっこす」という言葉があるくらい、情熱的で意志が強い。竹を割ったような性格で動きが早く、議論好き。

第2位の高知県の男性は「いごっそう」と呼ばれ、頑固で強情。脱藩した坂本龍馬しかりで、権威に屈しない一本気な性格だ。土地の多くが太平洋に接しているため、開放的な一方、好き嫌いがはっきりしている。

第3位の茨城は北と南で性格が分かれるが、骨太なのは水戸藩士の荒々しい気質が根付く北部。「水戸っぽ」と呼ばれた「怒りっぽい、理屈っぽい、骨っぽい」という気質が、現代は「怒りっぽい、忘れっぽい、飽きっぽい」に変化。運転が荒いのも、行動力にあふれている証しか。

【意志が強い県民】

1位●熊本
たとえ間違っていても自分の意見を曲げない、強情っぱり。しかし、納得できることに関しては、抜群の行動力を発揮する。「肥後の議論倒れ」と言われるほど議論が大好きで、反論を繰り返す

2位●高知
頑固で一本気。権力に屈しない。自由を好み、プライドも高いため、組織にいるよりは独立を望む

3位●茨城(南部)
水戸藩士の荒っぽさを受け継ぎ、責任ある仕事はやり遂げる一方で、短気で冷静さに欠ける一面も

4位●佐賀(南部)
昔は「イヒュウモン(角があって、つきあいにくい)」と言われた。『葉隠』の影響で几帳面で頑固一徹に

5位●新潟
雪国だけに粘り強く、融通が利かない愚直なまでの一徹さ。保守的で遊びも地味だが、頑固で見栄っ張り

資質を生かすと組織で評価される

スピード社会において、行動力に長けている「せっかち」な人はビジネスチャンスをつかむことが多い。しかし、周りが見えず突き進んでしまうことが多いため、大きな失敗を招くことも。そんなとき、悠然と構えている「ノンビリ」な人がいれば、ピリピリとした空気が一転し、気持ちが落ち着く。「堅実」な人からは地道な案が出るし、「意志の強い」人から前向きな言葉が出るだろう。いろんな性格の人がいて初めて、生産性の高い職場になるのだ。

NO.1 戦略研究所所長 矢野新一
専修大学経営学部卒業後、市場調査会社、外食業界を経て、ランチェスターシステムズに入社。チーフコンサルタントとして活躍後、1985年に独立。著書・監修本は『出世・結婚・お金は「県民性」で9割決まる!』(プレジデント社刊)など約50冊。
(構成=高嶋ちほ子)
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