食事の内容にも注意し、野菜とタンパク質を多く、糖質を少なく摂ることを心がけるべきと日野原先生は言う。
「野菜は大皿いっぱい。特に長寿のビタミンと言われるブロッコリーは積極的に摂りましょう。肉はヒレ肉のように脂身の少ないものを週に2回。魚は週5回。ご飯、麺類、じゃがいもなどの糖質は控えめに。脂肪はオリーブオイルを例外として、やはり控えたほうがいい」
ちなみに日野原先生は、毎朝野菜ジュースにオリーブオイルをテーブルスプーン1杯入れたものを飲んでいる。同時に摂るのが大豆からとったレシチンのサプリメントだ。
「これは脳の細胞をつくる働きがありますから、記憶力を補うには非常にいい。豆乳などを飲んでもいいですね」
さらに日野原先生が提唱する健康法の一つが「うつぶせで寝る」こと。
「動物はみんなうつぶせで寝ますね。そして動物に不眠症はない。それが本来の自然な寝方だからです」
長寿のために大事なのは体の健康だけではなく、「心」の健康も意識したい。そのためには「よき友を持つこと」だと日野原先生は強調する。
「若い年下の友達を持つこと。やもめになったら再婚するか、パートナーと同棲することも勧めます。文化的な趣味を生きがいにすると、充実した老後が過ごせますね」
日野原重明
1911年、山口県生まれ。京都帝国大学医学部大学院博士課程修了。41年より聖路加国際病院に内科医として勤務。2005年、文化勲章受章。