「日本の海軍はアメリカをなめきっていた」

ミッドウェー島攻略自体は、将来の実施が計画されてはいたが、具体的スケジュールは、まだなかった。軍令部は「その時機ではない」と判断したが、軍令部の反対を押し切って真珠湾作戦を成功させた山本に、強く抵抗できなかった。

こうして本来の長期計画に沿わないイレギュラーな形で、ミッドウェー作戦は無理矢理実行されるのである。

ミッドウェー作戦の前段として、真珠湾作戦とインド洋作戦で大きな戦果をあげたことにより、「機動部隊が行けば勝てる」との意識が海軍内にあったことを指摘しておきたい。そこには「負ける」という危機感がなく、終戦時に連合艦隊の参謀であった千早正隆氏の言葉を借りれば、「日本の海軍はアメリカをなめきっていた」。