社長から「会って話がしたい」と突然の電話

三越と伊勢丹が経営統合を果たしたのは2008年4月のことだ。景気減退に伴う業績不振が背景にあった。それからおよそ1年後の09年6月、大西さんは伊勢丹社長に就任した。紳士服の経験が長く、社長につながる王道ルートからは外れたポジションにいた。周囲のだれよりも、指名に度肝を抜かれたのは大西さん本人だったという。

「青天の霹靂とは、このことですよ」

撮影=門間新弥
ある日、突然社長に呼び出された日のことは今でも鮮明に覚えている

2社の統合は実質的に伊勢丹が主導権を掌握した。伊勢丹の武藤信一社長が三越伊勢丹ホールディングスの初代会長兼CEOに就任。同じく伊勢丹出身の大西さんは三越の常務兼MD統括部長となり、元はライバルだった店の売り場改革に走り回っていた、5月最後の週のある日のことだ。