勧善懲悪のハッピーエンドストーリー

テレビドラマのシリーズの物語の基本は勧善懲悪だ。子ども向けのヒーローもの、現代もの、時代劇のいずれにも通底していた。『スーパー戦隊』であれ、『特捜最前線』であれ、『キイハンター』『プレイガール』であっても勧善懲悪のハッピーエンドストーリーだ。いずれも集団の時代劇とも言える。

そして、ひとりひとりが善の組織に集まり、それぞれ違うキャラクターの人間が悪に立ち向かう。『七人の侍』のようなドラマトゥルギーだ。さらに『忠臣蔵』の要素も加えてある。地道な捜査を重ね、我慢して、辛抱したうえでやっと犯人を逮捕する。犯人逮捕には全メンバーが集合する。つまり、討ち入りシーンがラストを飾る。東映テレビドラマの作劇には時代劇で得たヒットの法則が詰め込まれている。

「相棒」は東映映画DNAの結晶

東映テレビドラマが時代劇で得た法則をもっとも受け継いでいるのがテレビ朝日と共同で制作している「相棒」(2000年~)だろう。

前述の京都撮影所長、小嶋雄嗣は「相棒は東映にとって大切なドラマシリーズです」と言った。

「東映にとっていい映画とは当たる映画のことです。『相棒』は映画でもヒットしました。実写でのヒットは『相棒』『男たちの大和/YAMATO』が双璧なんです。ふたつともこんなに当たるとは思いませんでしたっていうぐらい当たった。なぜ、当たったかといえば、空気なのかな。空気っていうのはつまり、リズムがいいなってこと。撮影現場で空気、リズムがいい映画はヒットするように思います。そこにいて気持ちいいかどうかですね。そして、現場の空気、リズムを作っているのはキャメラマンであったり、照明部であったり、その組によって違います。監督が率先して引っ張っていく組がある一方、監督は何もしないでキャメラマンが引っ張っていく現場もある」