テレビ時代劇も
『プレイガール』のことを書くと、ついつい長くなってしまうが、東映のテレビシリーズ現代ものはこれだけではない。
中年の魅力を発散させた天知茂が主役の『非情のライセンス』(1973年~1980年)、丹波哲郎が出た『Gメン’75』(1975年~1982年)。二谷英明、西田敏行が共演した『特捜最前線』(1977年~1987年)、藤田まことの顔を思いだす『はぐれ刑事純情派』(1988年~2005年)、そして沢口靖子の『科捜研の女』(1999年~現在)……。誰もが見たことのある作品ばかりだ。
そして、テレビ時代劇もいくつもある。これこそ東映の得意とするところだ。松方弘樹の父親で殺陣が上手な近衛十四郎が主演した『素浪人 月影兵庫』(1965年~1968年)。素浪人シリーズは子どもたちも喜んで見る時代劇だった。近衛演じる月影兵庫が猫が嫌いで、いつも、手にクルミを握って鳴らしているといった子どもたちが真似をしたくなるディテールがあった。月影兵庫の真似とはチャンバラとくるみを鳴らすしぐさだった。
大川橋蔵の『銭形平次』(1966年~1984年)も子どもたちが見、そして真似をした。テレビを見た子どもたちは銭形平次が銭を投げて悪人を退治する様子に似せて、穴の開いた五円玉を投げあった。大川橋蔵演ずる銭形平次は穴の開いた硬貨をひもに通して腰に下げていたからだ。親や教師からは「お金を投げるとは何事か」と怒られ、「銭形平次は教育上、よろしくないから見ないように」と通達を出す小学校もあった。
『桃太郎侍』、『名奉行 遠山の金さん』も
高橋英樹の『桃太郎侍』(1976年~1981年)松平健の『暴れん坊将軍』(1978年~2004年)、近衛十四郎の息子、松方弘樹が演じた『名奉行 遠山の金さん』(1988年~1996年)。いずれも家庭で見るチャンバラだ。それでも剣戟は本物だった。
東映は映画では「テレビには映せない」バイオレンス、エロの要素をふんだんに盛り込んだそれを製作した。けれど、テレビドラマではふたつの要素を抑制して、それでいて個性的なドラマに仕立てあげた。長く続いたドラマが多いのは制作スタッフがさじ加減を熟知しているからだ。『プレイガール』などはあからさまなヌードは出さなかったが、製作者はぎりぎりまでサービスした。お父さんと少年は「もうちょっと頑張ってほしい」と天に祈りながらブラウン管のなかのプレイガールたちの絶対領域を見つめたのである。

